
天正15年(1587)、豊臣秀吉の九州出兵の際に、秋月氏攻略の恩賞として当時の大隈町が秀吉から賜ったとされるもので、昭和35年(1960)に国の重要文化財に指定されました。
素材は、木綿のキルト生地で、正面見ごろには、金襴の布地を施し、背には緋のラシャを五七桐の大紋に仕立て、アップリケ状に貼り付けています。肩には鹿皮(金唐皮)の肩章風の太刀よけが付き、腰部から下は馬上で支障にならないようセンターベンツとなっています。
生地に刺繍された模様は、幾何学的な華文がモチーフとなっていて、インド西端のイスラム圏で製作された可能性が高いようです。また、模様の大きさなどから、もとはベッドカバーやタペストリーのような寝具として使用された生地で、南蛮貿易によって入手し、秀吉の好みに応じて陣羽織に仕立てたものと考えられています。
華文刺縫陣羽織(かもんさしぬいじんばおり)
所在地:嘉麻市大隈町
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